特集 世界の潮流についていこう! 婦人科がん診療2024
Ⅲ.卵巣癌
2.卵巣癌初回治療における薬物療法の新規エビデンス
長尾 昌二
1
S. Nagao
1
1岡山大学大学院医歯薬総合研究科周産期医療学講座(産科婦人科)(教授)
pp.371-376
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002923
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PARP阻害薬の導入により,進行上皮性卵巣癌の予後は大きく改善しつつある。一方,複数の試験で免疫チェックポイント阻害薬の有用性は示されず,その位置づけは定まっていない。Bevacizumab/durvalumab/olaparibの3剤併用の有用性を検証したDUO-O試験ではpositiveな結果が報告されたものの,durvalumabがどの程度貢献したのかは不明である。iPocc試験では,dose dense TC療法におけるcarboplatin腹腔内投与の残存腫瘍のサイズによらない有用性が確認された。しかし,いまだ保険収載に至っておらず,また恩恵を享受できる患者集団は明らかになっていない。
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