今月の臨床 卵巣癌診療の最新情報
【卵巣癌治療の最前線】
4.卵巣癌の初回化学療法
片渕 秀隆
1
,
宮原 陽
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部産科学婦人科学
pp.1311-1315
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101877
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はじめに
上皮性卵巣がん(以下,卵巣癌)の治療では手術療法と化学療法が車の両輪をなす.そして,現在の標準的治療として,手術療法が先に行われ,化学療法がそれに続く.初回手術の目的は,臨床進行期の正確な決定と病巣の可能な限りの切除の2つである.完全切除あるいは残存病巣が1 cm未満のoptimal surgeryが初回手術で達成されると予後の改善がより期待される.しかし,その達成率は進行卵巣癌の約5割と必ずしも高くないため,その後に行われる化学療法が根治を目的とした治療に大きくかかわることになる.
本稿では,初回化学療法に関する正しい理解のために必要な基礎的知識を中心に概説する.
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