特集 婦人科がん化学療法の進化―最適レジメンと管理を考える―
V.進行上皮性卵巣がん・卵管がん・腹膜がん
11.進行上皮性卵巣がん・卵管がん・腹膜がんの初回化学療法―conventional TCかdose-dense TCか?ベバシズマブを併用する?―
池内 香子
1
,
松本 光史
1
1兵庫県立がんセンター腫瘍内科
キーワード:
conventional TC
,
dose-dense TC
,
bevacizumab
Keyword:
conventional TC
,
dose-dense TC
,
bevacizumab
pp.289-294
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000574
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要旨
進行卵巣がんに対する初回治療はカルボプラチン,パクリタキセル併用療法が標準治療である.日本人を対象としてconventional TC療法とdose-dense TC療法を比較したJGOG3016試験では,dose-dense TC療法で無増悪生存期間(PFS),全生存期間(OS)ともに有意延長を認めたが,追試験では有意差を認めなかった.わが国においてはdose-dense TC療法も標準治療となっており,進行症例で推奨される.化学療法とベバシズマブの併用維持療法を検証したGOG218試験とICON7試験ではPFSの有意延長を認めたが,比例ハザード性の崩れがあり,24カ月以降は有意差を認めず,OSの有意延長は認めていない.PARP阻害薬併用等を考慮し,適応症例を選択する必要がある.
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