特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘出術
8.子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫 ③
小谷 泰史
1
,
松村 謙臣
1
Y. Kotani
1
,
N. Matsumura
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.1753-1758
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000700
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腹腔鏡下広汎子宮全摘術は,開腹手術とは異なった視野や手技であり,特に膀胱子宮靱帯前層の処理を誤ると尿路系合併症が起こりうる。現在,われわれは,まず膀胱と腟の間隙の正中を内尿道口の高さまで剝離している。すると,その側方の血管を含む腟と膀胱の間の結合織が明らかになり,さらにその側方にある腟側腔を開放できる。次に,腟と膀胱の間の結合織を,シーリングデバイスを用いて切断する。この前処理の後に膀胱子宮靱帯前層を処理するが,その際には前層は薄い膜に包まれた血管だけになっており,尿管と遠い位置で血管の処理を行うことが可能である。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.