今月の臨床 産婦人科手術における合併症管理のすべて
I 婦人科手術
1.開腹手術
3.広汎性子宮全摘出術
西谷 巌
1,2
,
高村 郁世
3
1滝沢中央病院
2岩手医科大学
3総合花巻病院
pp.334-338
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904580
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はじめに
広汎性子宮全摘出術の場合は,とくに手術操作の基本となっている組織間,臓器間の層(Schicht)を誤ることなく正確に組織および臓器の間隙にクモの巣状に張っている粗糙結合組織に分け入り,圧排,剪断し,止血操作を繰り返しながら巧みにその間隙を拡張し,拡大していくことが肝要である.また,血管を損傷させたり破綻させないように努め手術野の汚染を避け,視野を確保しなければならない.この基本方針が結果として出血量を軽減し,手術所要時間を短縮することにつながる.ひいては,これが子宮周囲臓器の損傷を回避し,合併症の予防にもつながることになる.これらの手術手技について言及しながら術中,術後の合併症の問題についても述べたいと思う.
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