特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘出術
6.子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫 ①
加藤 友康
1
T. Kato
1
1国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科(科長)
pp.1741-1746
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000698
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基靱帯と膀胱子宮靱帯,腟傍組織の相互位置関係についての疑問解明目的で,尿管を尿管下腹神経筋膜と分離しないまま剝離して,これらの靱帯の位置関係を解剖体にて検討,以下の所見が得られた。尿管下腹神経筋膜の外側を膀胱静脈は走行し,深子宮静脈へ合流する。膀胱静脈は膀胱子宮靱帯の後層内の血管と同一であった。膀胱子宮靱帯後層と腟傍組織の間には尿管下腹神経筋膜の境界があり,腟傍組織は尿管下腹神経筋膜の内側に位置していた。腟側腔は尿管下腹神経筋膜の外側を走行する膀胱静脈とこの筋膜の間隙であった。これらの所見は広汎子宮全摘術中にも確認された。
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