特集 HPVワクチンを改めて考える―接種勧奨の再開に向けて―
4.HPVワクチン接種の世界的状況
宮城 悦子
1
,
鈴木 幸雄
1
,
助川 明子
1
,
東 暖乃
2
,
野々山 将
2
,
倉澤 健太郎
1
E. Miyagi
1
,
Y. Suzuki
1
,
A. Sukegawa
1
,
N. Higashi
2
,
S. Nonoyama
2
,
K. Kurasawa
1
1横浜市立大学医学部産婦人科
2同 医学部医学科
pp.963-968
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000546
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2価および4価HPVワクチンの大規模臨床試験の結果が公表され,HPVワクチンは2006年以降に順次各国のワクチンプログラムに組み入れられるようになり,長期間高い接種率を維持している国も多い。そのような国からは,接種世代の女性のHPV16型/18型感染率減少のみならず,子宮頸部細胞診異常,子宮頸部上皮内病変の発生頻度の低下が,実際の疫学データとして相次いで報告されている。また,現在の国際的なHPVワクチンの話題としては,2回接種の普及,男女の区別のない接種,子宮頸がんの90%以上の予防が期待される9価HPVワクチンの導入などがある。また,日本と同じように,HPVワクチン接種後の因果関係不明な多様な症状を呈する有害事象の報道などにより,いったん低下した接種率を回復させた国もある。本稿では,最近のHPVワクチン接種に関する世界の動きを概説する。
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