特集 生殖医療のファーストライン・セカンドライン―診療ストラテジーと方針変更のタイミング―
不育症
6.原因不明
永松 健
1
,
藤井 知行
1
T. Nagamatsu
1
,
T. Fujii
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
pp.857-861
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000519
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不育症患者の7割程度はスクリーニング検査を行っても原因因子が特定できない “原因不明” である。しかし,そうした患者の多くは胚の染色体異常の単なる繰り返しであり,特別な流産しやすい因子を有するわけではない。不育症の診療ではこの点を含めてスクリーニング検査結果の解釈に関して十分な説明を行い,次回の妊娠に対する対応を決定することが重要である。不育症患者は強い精神的ストレスを有しており,しばしば抑うつ・不安状態にある。原因が特定できない患者に対してその後の妊娠で経過観察を行う場合であっても,精神的支援により不安の緩和に努めることが肝要である。
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