診断のポイント
原因不明の浮腫
鷹津 正
1
1大阪医大内科
pp.1171-1173
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200938
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浮腫には全身性および局所性の2種がある。その成因には末梢血管においてStarlingの平衡を破る因子,すなわち細動脈および細静脈の毛細管に接する部の血圧,血液膠滲圧,組織圧などのほかに毛細管の透過性,さらに組織間腔液の静脈系に返るに必要なリンパ管の変化がある。全身性浮腫をきたすにはNaの蓄積を必要とする。以上の因子に影響を与える疾患は浮腫をきたしうるが,日常われわれが見るのは心疾患,腎疾患,肝疾患,低蛋白血症(以上全身性),アレルギー性浮腫,炎症,静脈血栓(以上局所性)などである。したがつて原因不明の浮腫といえば以上の疾患群を除外したものとなる。以下日常の臨床において留意すべき事項について述べる。
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