特集 卵巣癌の手術up to date
12.腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の実際
津吉 秀昭
1
,
吉田 好雄
1
H. Tsuyoshi
1
,
Y. Yoshida
1
1福井大学医学部産科婦人科
pp.535-542
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000434
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腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は,腹腔内を加温した状態で抗がん剤を直接投与する治療法である。2018年1月,van Drielらは,New England Journal of Medicineに新たな多施設第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果を報告した(OVHIPEC試験;NCT00426257)。この報告では,卵巣癌Ⅲ期症例に対し術前化学療法施行後のIDS時にHIPECを1回行うだけでOSを約12カ月延長させ,重篤な有害事象もなく,手術時間を2時間,ICU入室も1日追加するのみであった。この報告は実臨床上大きなインパクトを与えることとなった。本稿では,当院での経験を踏まえHIPECの実際を報告する。
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