症例
動脈塞栓術が有効であった難治性産後腟壁血腫の1例
末吉 寿実鼓
1
,
小畑 聡一朗
1
,
廣岡 潤子
1
,
高見 美緒
1
,
榎本 紀美子
1
,
葛西 路
1
,
笠井 絢子
1
,
倉澤 健太郎
1
,
青木 茂
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.1893-1897
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000266
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腟壁血腫の多くは外科的に止血が得られるが,その止血に難渋した場合には,動脈塞栓術が考慮される。今回われわれは動脈塞栓術が有効であった産後腟壁血腫の1 例を経験した。症例は35 歳の初産婦で,前医で鉗子分娩後,会陰裂傷縫合術で止血が得られず,当院に搬送された。造影CT で7 cm 大の腟壁血腫を認め,経腟的に血腫除去・止血術を施行したが,止血が得られず,再手術でも止血困難であった。動脈塞栓術に移行し,左子宮動脈と両側腟頸管動脈を塞栓し,止血した。総出血量は4,410 ml,総輸血量は濃厚赤血球20 単位,新鮮凍結血漿26 単位,濃厚血小板20 単位だった。
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