特集 不妊と不育の新たな課題
10. ART 治療成績向上のための男性不妊治療の役割
竹島 徹平
1
,
黒田 晋之介
1
,
湯村 寧
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター生殖医療センター泌尿器科
pp.1839-1844
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000258
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不妊の約半数に男性因子が関与しているにもかかわらず,無精子症の場合を除き男性不妊治療介入を経ずにART を導入されている例が少なくない。受精後,day 3 以後の胚発生には精子DNA の完全性が関与しており,断片化が生じると発生停止,着床障害,流産などの原因となる。精子DNA 断片化に対して,ラボにおける精子選別法以外にも,生活指導や採精指導,内服治療や手術に至るまで,ART 成績向上のための泌尿器科的に治療可能な取り組みが存在し,良好な治療成績が得られている。今後も治療エビデンスを確固たるものとし,ART 治療成績向上のため,婦人科医師と連携を図っていく必要がある。
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