特集 不妊と不育の新たな課題
6. 卵子凍結保存の有用性
井上 太綬
1
1株式会社北里コーポレーション研究開発室
pp.1813-1819
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000254
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日本産科婦人科学会の報告によると,体外受精・胚移植などの臨床実施登録施設数は,2005年の641 施設から2015 年には607 施設に減少している。一方で,卵子凍結保存実施施設数は2005 年の11 施設から2015 年には76 施設と7 倍に増加し,周期数についても56 から374 周期と約7 倍増加している。卵子凍結保存は当初,緩慢凍結保存法が普及していたが,高額な機器を必要としないガラス化保存法が普及し,臨床成績は向上した。今後は,卵子凍結保存の臨床データの蓄積がなされ,わが国における年齢や患者背景ごとの生児獲得率が明らかになると考えられる。
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