特集 不妊と不育の新たな課題
5. 黄体ホルモン製剤の選択にあたって考慮すべき各製剤のリスクについて
東口 篤司
1
1札幌エンドメトリウムリサーチ(代表)
pp.1807-1811
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000253
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1970 年代から90 年代にかけて,FDA は妊娠初期に使用する黄体ホルモンが児の先天異常を引き起こすリスクについて,その考え方を変えてきている。FDA の考え方の変遷を受けて,ASRM は天然型黄体ホルモンであるプロゲステロンが先天異常の原因になることはないことを発表し,同時にアンドロゲンリセプターに結合する合成黄体ホルモンは尿道下裂を引き起こす可能性があることに警鐘を鳴らしている。FDA やASRM さらにPubMed 論文など国際的議論を踏まえて現在国内で使われている合成黄体ホルモン製剤を検証すると,ディドロゲステロンは比較的安全性が高く,クロールマジノン酢酸エステル,レボノルゲストレル,メドロキシプロゲステロン酢酸エステルは危険性が高い,と評価されるべきであると思われた。
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