特集 産婦人科診療で用いられるバイオマーカー
PARP 阻害剤に関するバイオマーカー
中山 健太郎
1
,
中村 康平
1
,
京 哲
1
1島根大学産科婦人科
pp.1223-1228
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000142
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PARP 阻害剤はBRCA1/2 を中心とする相同組み換え修復遺伝子異常がある腫瘍に対しては,合成致死と呼ばれるメカニズムを通じて,がん細胞死を誘導する。欧米ではすでにPARP阻害剤olaparib がBRCA1/2 遺伝子変異陽性の再発卵巣がんを対象に臨床応用されており,わが国でもolaparib の再発卵巣がんに対する保険収載が目前に迫っている。PARP 阻害剤使用における効果予測バイオマーカーとしてBRCA1/2 生殖細胞変異,体細胞変異,相同組み換え修復遺伝子の体細胞変異,LOH スコア,HRD(homologous recombination deficiency)スコアなどが報告されつつある。本稿ではPARP 阻害剤olaparib の保険収載に向けて,臨床医が必要な最新情報,問題点を整理することとする。
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