特集 産婦人科診療で用いられるバイオマーカー
HE4
馬場 長
1
,
万代 昌紀
1
1京都大学大学院医学研究科器官外科学婦人科学産科学教室
pp.1215-1222
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000141
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2017 年春に血清HE4 値測定が卵巣悪性腫瘍の診断マーカーとして保険収載され,その臨床的実用性が期待されている。血清CA125 値に比して良性疾患での陽性率が低く,診断特異度が高いことが特徴であるが,閉経状態によって値が変わること,頻回の検査は認められていないこと,早期診断にどれだけ寄与するかはこれからの検討課題であること,など留意点も多い。近年,卵巣癌診療においては個別化治療への指向が高まっており,多彩な組織型や遺伝子発現サブタイプごとにHE4 値の実用性を探索することがこれからの課題となる。
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