臨床経験
当センターにおける稽留流産の治療成績─待機的管理と外科的治療の比較─
吉野 愛
1
,
金川 武司
1
,
林 周作
1
,
石井 桂介
1
,
光田 信明
1
1大阪府立病院機構 大阪母子医療センター産科
pp.1051-1055
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000096
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稽留流産の治療として待機的管理または外科的治療が行われている。当センターでも治療法の選択肢として外科的治療だけでなく待機的管理も選択肢として提示している。しかし,各治療成績についてのわが国の報告はまだない。そこで,当センターでの各治療法の成績を比較・検討した。対象は2011 年1 月〜2015 年12 月に当センターで稽留流産と診断した症例とした。診断時の患者希望により,待機的管理群(待機群),外科的治療(D & C)群に分け,各治療法の入院・追加処置を要する合併症発生率の比較,待機群で診断から14・21・28 日目までの胎囊排出率を求めた。対象となった稽留流産は326 例で,待機群は184 例,D & C 群は142 例であった。合併症発生率は,待機群で8%,D & C 群で6%に認め,有意差はなかった(P=0.51)。待機群での,14・21・28 日目までの胎囊排出率は,それぞれ68%・80%・86%であり,診断から21 日目までに大部分の症例で排出していたことがわかった。
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