症例
Delayed interval delivery を行った二絨毛膜二羊膜性双胎の2例
山口 智子
1
1宮崎大学医学部附属病院産婦人科
pp.1057-1061
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000097
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妊娠24 週未満の早産の場合,先進児娩出後に後続児の妊娠継続を図るdelayed intervaldelivery が後続児の新生児予後を改善させるという報告がある。当院で管理したdelayedinterval delivery の2 例を報告する。症例1 は,26 歳,初産婦。IVF-ET により妊娠し二絨毛膜二羊膜性(DD)双胎であった。切迫早産のため妊娠22 週1 日から子宮収縮抑制薬を開始したが,22 週6 日に分娩進行し,第1 子が頭位経腟分娩となった。9 日後に第2 子が出生した。第1 子は合併症なく経過し,第2 子は未熟児網膜症に対してレーザー光凝固療法を行った。両児とも7 歳時点で正常発達である。症例2 は,37 歳,1 回経産婦。自然妊娠しDD 双胎と診断された。23 週2 日に胎胞形成し,羊水穿刺により子宮内感染を否定し子宮収縮抑制薬を開始した。23 週4 日に先進児が破水し,分娩となった。後続児は23 週6 日に分娩。第1 子からはGBS が検出され,重症肺炎のため日齢2 に死亡した。第2 子は脳室内出血後の水頭症を併発した。胎盤病理は,第1 子はnecrotizing chorioamnionitis,第2 子はchorioamnionitisであった。分娩前に理学所見や血液・羊水の所見により子宮内感染を否定していたが,症例2 では感染を認めた。Delayed interval delivery では子宮内感染が予後関連因子として重要である。
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