特集 生殖免疫
免疫学的流産
八神 喜昭
1
,
青木 耕治
1
Yoshiaki Yagami
1
,
Koji Aoki
1
1名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.1079-1083
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207904
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近年の新しい免疫理論によって,「免疫とは,外来抗原が侵入したときのみ発現する一時的な外向きの反応ではなく,リンパ球が常に自己標識(自己classⅡ抗原)を認識しつつ,動的平衡状態を保っている内向きの反応で,1つの閉鎖したネットワークである」ということが明らかにされてきた1)。
このような巧妙かつ複雑な免疫応答調節機構をもつ母体中に,異物としての胎児が拒絶されることなく免疫学的平衡状態を維持している「妊娠現象」とは,更に難解かつ魅惑的な現象といえる。
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