特集 早産リスクにどう向き合うか─最近の話題─
(幻の)切迫早産治療薬レトシバン―非ペプチド型オキシトシン受容体拮抗剤―
室月 淳
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1宮城県立こども病院産科 東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野
pp.899-904
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000065
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レトシバンは切迫早産治療薬として新しく開発された非ペプチド性オキシトシン受容体拮抗剤であり,オキシトシン受容体に対する選択性が優れているという特性がある。北米で行われた第Ⅱ相試験では,有意の妊娠延長効果に加え,新生児の予後の改善傾向も認めるという画期的な結果が出た。残念ながら日米欧でのグローバル治験はメーカーの社内事情のために途中で打ち切られたが,今回のレトシバンのグローバル治験への参加自体が,わが国の子宮収縮抑制剤の低用量長期持続投与という切迫早産治療のスタンダードを反省させる契機となった。
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