先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
子宮収縮—抑制と促進
オキシトシンと子宮収縮
高木 繁夫
1
,
田 根培
1
,
坂元 秀樹
1
Shigeo Takagi
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.733-739
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207463
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内因性オキシトシン(以下OT)の子宮筋収縮に果たす役割について考察する場合にはまず,(1) OTの分泌が果たして分娩の発来にとって必要不可欠なものであるか否か,(2) OTの分泌は果たして分娩の進行,すなわち良好な陣痛(子宮収縮)の維持にとって不可欠なものであるか否か,という2つの面からする分析が必要であり,またかくして初めてその全貌が明らかになるものと思われる。幸い近年,分娩とOTに関する研究はそれの血中濃度の定量が簡易化し,また子宮筋収縮におけるOT—受容体(以下OT-R)についてもそれの特性が明らかになり,加えて優れたME機械の発達と相俟って長足の進歩を遂げてきている。したがって本稿ではこの2点を中心に,自家成績に加えて最近の知見とともに,OTによる子宮筋収縮の調整機構の現状を総括して記述する。
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