特集 早産リスクにどう向き合うか─最近の話題─
切迫早産管理における羊水スラッジの意義
深見 武彦
1
1日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科
pp.865-871
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000060
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経腟超音波にて内子宮口近傍の羊水中にややエコー輝度の高い小粒子の集塊像(スラッジ:sludge)が観察されることがある。この羊水中に認められるスラッジは,頸管長短縮例などの早産ハイリスク例に比較的高頻度に認められる。スラッジを認める症例は早産リスクが高いことや,検査陽性から分娩までの期間が短いことが知られている。その背景には羊水腔内の感染や炎症の存在が示唆されている。実際にスラッジを採取してみると,そのなかには細菌や炎症細胞が認められている。頸管長短縮所見にスラッジを認めた場合は,より早産リスクが高くなる可能性がある。
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