特集 早産リスクにどう向き合うか─最近の話題─
切迫早産管理における羊水検査の意義
米田 哲
1
,
米田 徳子
1
,
齋藤 滋
1
1富山大学医学部産婦人科
pp.823-828
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000054
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未破水の切迫早産症例の予後は,子宮内環境に大きく左右されている。具体的には,子宮内炎症(≒組織学的絨毛膜羊膜炎)と子宮内病原微生物の存在であり,分娩時期,あるいは新生児予後に,これら子宮内炎症や感染が大きく影響している。早期発症の切迫早産ほど,重度の子宮内炎症が存在し,病原微生物の検出確率が高いという大きな特徴があるため,特に,妊娠30週未満の切迫早産症例では,感染症を考慮した産科学的な管理が重要と考えられる。子宮内の炎症や病原微生物の正確な情報は,新生児予後を改善できる可能性を秘めているが,これらの情報は羊水検査なしに得ることはできない。
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