特集 早産リスクにどう向き合うか─最近の話題─
子宮収縮抑制剤投与方法のこれから─短期投与の立場から─
仲村 将光
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.829-835
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000055
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切迫早産の管理として子宮収縮抑制薬の持続投与が行われるようになり30 余年が経過した。また,周産期死亡率の低さは世界最高水準である一方,わが国の早産率は徐々に増加している。欧米諸国のエビデンスや勧告を見ると,48 時間以上,子宮収縮抑制薬を長期にわたり投与する利益がリスクを上回るものではないことが投与期間の制限の理由とされる。わが国以外で子宮収縮抑制薬の長期投与は行われていないことを鑑みると,切迫早産の管理において考えるべきことは早産の予防というよりは早産への備えである。早産に備えるための母体搬送やステロイド投与は妊娠期間を48 時間延長できれば十分であり,子宮収縮抑制薬の投与を短期投与としても予後を変えることはないはずである。
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