特集 大災害と子どもたち――Excluded and Invisible Ⅱ
小児災害医療における特殊な対応
8.食物アレルギーに対する医療支援
緒方 美佳
1
1熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座
pp.687-693
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003513
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食物アレルギー児は災害時の要配慮者であるが,外見からはリスクがわかりにくい.食べられる食品が制限されるため,支援物資や炊き出しに依存する災害下では,食事対応が最大の課題となる.平常時の備えとして,家庭での食糧備蓄の啓発と,正確な診断による除去食の最小化が不可欠である.エピペン®や合併する喘息,アトピー性皮膚炎の治療薬も準備する.地域の小児科医は,行政や医師会と連携し,避難所外避難者も含めたアレルギー対応食品の供給体制の整備,行政職員へのアレルギーに関する教育,栄養士など地域の専門職との連携体制の構築に重要な役割を果たす.

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