特集 大災害と子どもたち――Excluded and Invisible Ⅱ
小児災害医療における特殊な対応
7.神経発達症(発達障害)等に対する医療支援
木村 重美
1,2,3
1熊本託麻台小児リハビリテーション・発達医療センター 神経小児科
2神戸大学大学院 医療システム学分野 医療法・倫理学部門
3富山大学大学院 医学薬学教育部 計算創薬・数理医学講座
pp.681-686
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
神経発達症児は災害時に合理的配慮が不可欠である.自閉スペクトラム症や注意欠如多動症の特性に基づき,避難所での適切な支援と環境調整が必要である.私が経験した熊本地震では,視覚化のためポスターの配布,食料配給,神経発達症児の一時預かりなどを熊本市子ども発達支援センターで行った.また,私が委員長在任中に日本小児神経学会・災害対策委員会では,災害時に特別支援学校を子ども福祉避難所として開設することを内閣府,文部科学省,子ども家庭庁に提案している.具体的には,行政機関,医療機関,教育機関,家族が協力して,事前に人的派遣,食料や医薬品の備蓄,水,電源の確保やトイレなどの環境整備を行う必要がある.

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.