綜説
新生児ミトコンドリア病の特徴
海老原 知博
1
,
村山 圭
2,3
1Institute of Neurogenomics, Computational Health Center, Helmholtz Munich
2順天堂大学医学部難病の診断と治療研究センター/小児科
3千葉県こども病院代謝科
pp.387-396
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003423
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新生児ミトコンドリア病は生後28日以内に発症し,多臓器にわたる重篤な症状を伴うことが多い.胎内から胎外へのエネルギー代謝の切り替えがうまくいかず,呼吸障害,新生児仮死,筋緊張低下などが初発症状として現れる.原因遺伝子の特定が進み,病型別の予後も明らかになってきている.周産期医療にかかわる医療従事者が新生児ミトコンドリア病の臨床的特徴をより深く理解することで,正確な診断や適切な医療介入につながる.診断には代謝スクリーニング検査,ミトコンドリア機能検査,遺伝学的検査を組み合わせながら進める.確立された治療法はないが,呼吸循環管理やビタミンカクテル,栄養療法などが重要である.

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