特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅱ
診療科ごとに関わりの深い母斑症の診療ポイント
4.皮膚科の視点(皮膚病変からの診断・分子標的薬など)
吉田 雄一
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
pp.356-362
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003419
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母斑・母斑症は個体発生のごく初期あるいは胎生期の遺伝子の異常により生じる.しかしながら,異常をきたした時期,あるいはその発生部位,さらに関与する細胞により,その臨床像は異なる.これまで希少疾患の皮膚病変に対する治療法は姑息的な外科的切除など限定的であったが,徐々に病態解明が進み,一部の遺伝性疾患では早期から治療介入が可能となってきている.本稿では,皮膚科の視点から母斑・母斑症のとらえ方,また皮膚病変に対する分子標的薬(シロリムス,セルメチニブ)を用いた治療法について,2024年に刊行された「叢状神経線維腫–悪性末梢神経鞘腫瘍の診療ガイドライン(神経線維腫症1型)」を含めて,わかりやすく解説する.

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