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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
4.皮膚疾患治療のポイント
分子標的薬皮膚障害対策
The rash management for targeted therapies
松原 きみ子
1
,
磯田 憲一
1
Kimiko MATSUBARA
1
,
Kenichi ISODA
1
1三重大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Mie University Faculty of Medicine, Tsu, Japan
キーワード:
分子標的薬
,
皮膚障害
,
薬疹
,
痤瘡様皮膚炎
,
手足症候群
Keyword:
分子標的薬
,
皮膚障害
,
薬疹
,
痤瘡様皮膚炎
,
手足症候群
pp.108-112
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103623
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要約 従来の抗がん剤は,がん細胞のDNA合成を阻害することによって細胞分裂を抑制し,抗腫瘍効果を得ていたが,分子標的薬と呼ばれる新しい抗がん剤は,細胞がDNA合成を開始するための信号を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する.現在,本邦では十数種類の分子標的薬が使用されているが,その標的となる細胞は,上皮系細胞,内皮細胞そして骨髄細胞などがあり,それらに由来する各種の悪性腫瘍に使用され,生存率の延長などの効果を得ている.一方で,その特殊な毒性により,従来の抗がん剤ではみられなかった臓器障害を合併することがわかっており,皮膚科領域においても特徴的な皮膚障害を高率で発症する.この先進医療においては,投薬を中止することなく皮膚障害を治療することが皮膚科医に求められており,投薬中止が前提である「薬疹」とは取り扱いが異なることを知っていただきたい.
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