特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅱ
診療科ごとに関わりの深い母斑症の診療ポイント
3.整形外科の視点(側弯・軟部悪性腫瘍など)
川島 寛之
1
,
生越 章
1
,
大橋 正幸
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科整形外科学分野
pp.347-355
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003418
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整形外科的な視点で運動器診療を行う際に,母斑や母斑症を有する症例に対する注意点を述べた.脊椎の側弯を呈する疾患として最も頻度が高いのは特発性側弯症であるが,神経線維腫症1型(NF1)の約10%に側弯症を合併することに注意が必要である.とくに,dystrophic typeでは変形が急速,かつ高度に進行し治療に難渋することもある.軟部腫瘍診療においては,カフェオレ斑とともに,腫瘍が多発していることを確認することが神経線維腫症を診断するきっかけとなる.とくに叢状神経線維腫を認めた場合には,増大傾向の有無,疼痛やしびれといった症状の有無を確認し,悪性末梢神経鞘腫瘍の可能性を検討する必要がある.その他,NF1に合併する比較的まれな病態である先天性下腿偽関節症や,カフェオレ斑に多発性線維性骨異形成症を合併するMcCune-Albright症候群についても言及した.

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