綜説
小児てんかんに対する外科治療
花谷 亮典
1,3
,
東 拓一郎
1,3
,
丸山 慎介
2,3
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科学
2鹿児島大学病院てんかんセンター
3鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学
pp.277-285
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003390
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小児期はてんかん発症率が高く,薬剤抵抗性の症候性てんかんが発病する頻度も高い.薬剤抵抗性てんかんに外科治療が有効な場合があり,また小児では早期の外科介入は,発作だけでなく精神発達へ好影響を与える.診断に際しては脳波とMRIの重要度が高いが,読影の際には小児特有の髄鞘化についての注意が必要である.外科治療に際して,切除すべき範囲が重要な機能領域に及ぶこともしばしばみられるが,とくに乳幼児期における脳の可塑性はその領域の切除を可能にする.また,緩和治療として,主には転倒発作に対する脳梁離断術に加えて,発作型を問わない迷走神経刺激術や焦点てんかんに対する脳深部刺激術などのneuromodulation治療が普及してきている.

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