社会小児科学
子どもの「社会的時差」
-――平日と休日の生活時間帯のずれにより生じる心身の不調について
神山 潤
1
1東京ベイ浦安市川医療センター小児科
pp.80-87
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003336
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時差ぼけは急激な長距離移動で生じる心身の不調だが,同様の心身の不調は平日と休日の生活時間帯のずれでも生じる.眠りの中間時刻の平日と週末の差を社会的時差と称する.思春期に最長となり,社会的時差がプラス1ないし2時間を超えると学業成績・認知検査結果の悪化,肥満,スクリーン時間の延長,不安症状の出現,眠気の高まり,イライラ,睡眠の質の低下,運動日数減,朝食欠食,排泄頻度減少と関連することが報告されている.本稿では,社会的時差の理解に必要な時計の概念を紹介し,思春期以前の社会的時差の課題,負の場合の課題,weekend catch-up sleep(週末の睡眠補填)との関連を紹介する.社会的時差の改善には平日の睡眠時間増を勧めるメッセージの同時発信が重要なことを強調した.
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