綜説
表皮水疱症治療の現状と展望
森 志朋
1
,
玉井 克人
1
1大阪大学大学院医学系研究科再生誘導医学寄附講座
pp.72-79
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003335
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先天性表皮水疱症は表皮とその直下に水疱を形成する遺伝性水疱性皮膚難病である.出生時や生直後より身体各所に水疱やびらんを生じ,皮膚の脆弱性を蝶の羽にたとえ「バタフライ・チルドレン」とよばれる.現時点では根治的治療はなく外用剤や被覆材による局所治療,栄養補助,嚥下困難例では食道拡張術や胃瘻による経腸栄養が行われている.2019年,接合部型と栄養障害型の4週間以上続くびらん・潰瘍に対し自家培養表皮「ジェイス®」がわが国で保険適用となり治療が開始された.さらに近年,根治的治療として遺伝子治療の治験が行われ良好な結果が報告され,今後,病型,遺伝子変異,重症度に応じた最適治療を選択できるようになると期待される.
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