特集 子どもと旅行―より安全に出かけるために
10.子どもの時差対策
岩垂 喜貴
1
1独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院児童精神科
キーワード:
生体時計
,
外的脱同調
,
内的脱同調
,
時差障害
,
パラソムニア
Keyword:
生体時計
,
外的脱同調
,
内的脱同調
,
時差障害
,
パラソムニア
pp.1175-1181
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000545
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
成人の旅行者数の増加に伴い,小児の旅行者数も近年大幅に増加している.長距離の移動を短時間かつ高速で行うことにより生体内の生物時計が外界の生活時間とうまく適合することができなくなる.その結果,身体症状の不調(不眠,日中の眠気,身体の不調)をきたすこれを時差障害(時差ぼけ,時差症候群)と呼び小児においてもその存在に留意すべきである.また小児は視交叉上核(SCN)の生体時計の支配力が強く時差のある地域に旅行をした際にも日本国内での睡眠習慣の影響が強く残ることが特徴である.加えてパラソムニアなどの睡眠障害(とくに覚醒障害)が旅行中に生じることも少なくない.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.