[連載] 最近の外国業績より
神経
日本医科大学小児科学教室
pp.1078-1081
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003194
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背 景 睡眠時棘徐波活性を示すてんかん性脳症(EE-SWAS)は,小児てんかん症候群で,発生頻度1%未満の非常にまれな疾患である.この症候群は2歳から12歳にてんかん発作を起こし,認知低下や行動障害を伴う.睡眠中の85%以上にわたる棘徐波活性(棘徐波指数:SWI 85%以上)を特徴とし,従来はelectrical status epilepticus during slow wave sleep(ESES)と呼ばれていた.認知機能の予後は通常悪く,永続的な認知障害が残ることが多い.原因は不明な場合が多いが,一部の遺伝的および多小脳回などの構造的原因が関連しているともいわれている.EE-SWASの治療目標は認知退行を防ぐことであり,従来の抗てんかん薬やベンゾジアゼピン,免疫調整薬の使用が報告されているが効果は限定的である.本研究は,コルチコステロイドとクロバザムがEE-SWASの初期治療としての有用性,耐容性を評価することを目的とした.
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