[連載] 最近の外国業績より
消化器
日本医科大学小児科学教室
pp.1218-1221
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002767
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背 景 若年性大腸ポリープ(juvenile colorectal polyps:JPs)は小児の下部消化管出血の原因として最も一般的な疾患である.好発年齢は3~10歳であり,小児大腸ポリープの70~80%を占め,主に孤発性ポリープとして観察される.組織の好中球増多はJPsの特徴であり,好中球の分解・剥離が便に混入することで便中カルプロテクチン(fecal calprotectin:FC)値の上昇を引き起こす.最近の報告ではポリペクトミー後は正常化することが明らかになり,スクリーニングや再発のマーカーとしての利用が試みられている.また,最近の症例報告ではポリープの大きさとFC値に相関があると指摘されている.本研究はJPsにおいてポリープの大きさなどの要因がFC値と相関しているかを調べることを目的とした.また,ポリープ切除後にFC値の正常化がみられるか,切除後の再発のマーカーとして活用可能かも検討した.
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