[連載] 最近の外国業績より
神経
日本医科大学小児科学教室
pp.1171-1174
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
背 景 脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)は,常染色体潜性遺伝進行性神経筋疾患である.SMAでは運動神経細胞生存遺伝子1(SMN1)の異常により機能的なSMNタンパク質の産生が低下もしくは欠損し,運動神経の変性をきたす.SMN2もSMNタンパク質をコードしているが,機能的なSMNタンパク質の産生量は少ない.SMA1型は通常生後6か月以内に症状が出現し座位獲得ができず,呼吸や嚥下機能の低下をきたし生後12か月までには栄養摂取と呼吸のサポートが必要になる.無治療の場合,2歳を超えて生存することは難しい.リスジプラムは,SMN2のメッセンジャーRNA前駆体スプライシングを修飾し,血中の機能性SMNタンパク質を増加させる経口の低分子化合物である.筆者らはリスジプラムの安全性と有効性の評価を目的として比較研究を行った.
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.