鉄と骨代謝
慢性腎臓病患者に対する鉄補充の危険性
庄司 繁市
1
,
稲葉 雅章
1白鷺病院 内科
キーワード:
Ferritins
,
血液透析
,
Transferrin Receptors
,
造血剤
,
鉄
,
投薬計画
,
鉄過剰症
,
貧血-腎性
,
慢性腎臓病
,
Hepcidins
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Hematinics
,
Renal Dialysis
,
Receptors, Transferrin
,
Iron Overload
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Hepcidins
,
Ferritins
,
Iron
pp.163-169
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016329685
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鉄は生体のホメーオスターシスの維持に必要である.酸化還元反応における電子授受により鉄は遷移元素で2価と3価を容易にとり,酸素を直接配位する構造をもつ.鉄は過剰状態では毒性を発揮する.よって投与される鉄剤は最小限にするべきである.ヘプシジンの動態から見た鉄利用の効率を考えると,鉄剤の静注でヘプシジンが上昇し,一時的に骨髄への鉄供給がストップする.このことからできれば鉄剤は経口投与がよいと思われる.また使用するerythropoiesis stimulating agent(ESA)製剤もヘプシジンの動態から見ると長くヘプシジンを抑制する長期作用型のESA製剤がよいと思われる.
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