腎性貧血治療の新たな課題-ESA低反応性と鉄代謝異常
鉄代謝 慢性腎臓病における鉄代謝異常
中西 健
1
,
名波 正義
,
蓮池 由起子
1兵庫医科大学 内科学腎・透析科
キーワード:
Ferritins
,
Malondialdehyde
,
炎症
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
代謝
,
鉄
,
鉄代謝障害
,
分子シャペロン
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
Hepcidins
,
Frataxin
,
Nramp Protein
Keyword:
Inflammation
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Malondialdehyde
,
Metabolism
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Iron Metabolism Disorders
,
Molecular Chaperones
,
Hepcidins
,
Natural Resistance-Associated Macrophage Protein 1
,
Frataxin
,
Ferritins
,
Iron
pp.1797-1806
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014077331
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われわれは,以前より血液透析患者の予後に重大な影響を及ぼすと考えられる感染症や心血管事象の発症に,鉄の調節・輸送異常が関与するとの仮説をもとに研究を進めてきた.細胞内外で見てみると,細胞から鉄を汲み出す蛋白であるフェロポーチンの発現を調節する炎症性サイトカインや鉄調節ホルモンであるヘプシジンが増加し細胞の中に"鉄の囲い込み"が起こる.細胞内鉄代謝では,ミトコンドリアにおいて鉄を保持し,鉄-硫黄クラスターを維持する作用のあるフラタキシン,エンドソームから鉄を汲み出しミトコンドリアに供給していると考えられるNramp1のいずれもが低下することにより細胞内鉄配置異常が起こる.このように,鉄代謝の多くのステップにおける異常を介して合併症に関連している可能性が示唆された.
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