鉄と骨代謝
慢性腎臓病患者において鉄欠乏がもたらす病態
頼 建光
1
1東京医科歯科大学 腎臓内科学茨城県腎臓疾患地域医療学講座
キーワード:
Ferritins
,
Transferrin
,
血液透析
,
欠乏性疾患
,
造血剤
,
鉄
,
診療ガイドライン
,
貧血-鉄欠乏性
,
リスク評価
,
貧血-腎性
,
慢性腎臓病
,
Hepcidins
,
Metal Transporting Protein 1
Keyword:
Deficiency Diseases
,
Hematinics
,
Renal Dialysis
,
Transferrin
,
Practice Guidelines as Topic
,
Risk Assessment
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Hepcidins
,
Metal Transporting Protein 1
,
Ferritins
,
Iron
pp.143-152
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016329683
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腎性貧血は,CKD患者において頻発する合併症である.CKDにおける貧血では,鉄欠乏がしばしばみられ,貧血の主要な原因の一つとなっている.鉄欠乏を的確に診断することは,鉄補充による適切な治療を行うことにつながるため重要だと考えられるが,鉄欠乏性貧血と心血管イベントのリスクの関連に関する報告はほとんどない.初診の保存期CKD患者を対象にした前向きコホート研究において,貧血・鉄動態と死亡リスクの関連についての解析と,腎臓内科専門医が治療介入することによる貧血と鉄動態の変化についての評価を行ったところ,貧血は全死亡と心血管関連死亡の高リスクであった.さらに鉄欠乏性貧血の患者と鉄欠乏を伴わない貧血の患者は同等に死亡リスクが高かった.さらに鉄欠乏性貧血のCKD患者に対する鉄剤投与はESAと比較し十分な増加がみられないことがわかった.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.