特集 子どもの検査値の判断に迷ったら
13章 薬物血中濃度モニタリング(TDM)
1.検査の種類と原理・読み取り方とその限界
尾田 一貴
1
1熊本大学病院薬剤部
キーワード:
リガンド結合法
,
分離分析法
,
測定タイミング
,
定常状態
Keyword:
リガンド結合法
,
分離分析法
,
測定タイミング
,
定常状態
pp.1691-1696
発行日 2023年12月20日
Published Date 2023/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002881
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薬物は原則的に濃度依存性に治療効果や有害事象を発揮する.しかし,とくに治療効果が表れ始める濃度から有害事象の発揮する濃度までの範囲が狭い場合,測定した薬物濃度を指標に投与量調整を行う,therapeutic drug monitoring(TDM)が推奨される.古くは1944年の抗マラリア薬のキナクリン1)をはじめとして,1960年代には現代も使われている抗てんかん薬のフェニトイン2)や強心配糖体であるジゴキシン3)などで評価が行われてきた.わが国においては,1981年に躁病治療薬である炭酸リチウムのTDMが保険診療として認められ,現在は抗てんかん薬,抗菌薬,免疫抑制薬,抗不整脈薬などに適用が拡大されてきた.
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