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第8章 神経
[てんかん]新規分類,新規治療薬,認知症との関連
尾谷 真弓
1
,
松本 理器
1
1神戸大学大学院 医学研究科脳神経内科学
キーワード:
てんかん分類
,
抗てんかん発作薬
,
高齢発症てんかん
,
認知症
Keyword:
てんかん分類
,
抗てんかん発作薬
,
高齢発症てんかん
,
認知症
pp.703-708
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_703
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Summary
・治療戦略の発展に伴い,診断の枠組みが進化し,てんかん分類も改訂を重ねてきたが,発作型・病因を基盤とした段階的診断は治療方針決定のうえで重要であり,診療早期に行う必要がある.
・抗てんかん発作薬は日進月歩であり,近年では焦点てんかんに対するbrivaracetam,てんかん発作を抑制するcenobamate,Dravet症候群やLennox-Gastaut症候群に対するfenfluramineなどがある.
・近年増加する高齢発症てんかんはAlzheimer病(AD)の鑑別の一つであり,脳波を含めた指標による認知症の早期発見,抗てんかん発作薬による合理的治療介入の可能性が広がることが期待される.
・てんかんとともに生きる人々(people with epilepsy)のWHO到達目標達成に向けて,ますます診断・治療に向けた研究発展が望まれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2024