Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
てんかんでみられる精神症状の難治例
Intractable Cases of Psychiatric Symptoms in Epilepsy
西田 拓司
1
Takuji Nishida
1
1国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
1NHO Shizuoka Institute of Epilepsy and Neurological Disorders, Shizuoka, Japan
キーワード:
てんかん
,
epilepsy
,
発作後精神病
,
postictal psychosis
,
抗てんかん発作薬
,
antiseizure medication
,
強制正常化
,
forced normalization
,
てんかん外科治療
,
epilepsy surgery
Keyword:
てんかん
,
epilepsy
,
発作後精神病
,
postictal psychosis
,
抗てんかん発作薬
,
antiseizure medication
,
強制正常化
,
forced normalization
,
てんかん外科治療
,
epilepsy surgery
pp.1475-1481
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207427
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抄録
てんかんのある人でみられる精神症状は心理社会的要因,生物学的要因があり,側頭葉のネットワークの障害との関連が示唆されている。てんかんでみられる精神症状の難治化の要因はわかっていないが,てんかんの精神症状はその出現機序から,てんかん発作および治療(抗てんかん発作薬,外科治療)との関連を考慮する必要がある。特に,発作後精神病,抗てんかん発作薬関連の精神症状,強制正常化,てんかん外科治療後にみられる精神症状などてんかん特有の精神症状を来す症例から,てんかんでみられる精神症状の難治化の要因を考察する。新規抗てんかん発作薬には精神的副作用が多くみられるものがあり,現在,治験中,あるいは開発中の薬剤は精神的副作用にも注意が払われている。今後はてんかん発作の抑制だけでなく,精神的副作用の少ない,あるいは精神面にポジティブな作用をもつ抗てんかん発作薬の開発が期待される。
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