特集 子どもの検査値の判断に迷ったら
4章 血液一般検査
1.検査の種類と原理・読み取り方とその限界
河崎 裕英
1
,
石北 悦子
1
,
鏑木 多映子
1
,
飯島 真由子
1
1群馬県立小児医療センター
キーワード:
血球一般検査
,
血液形態検査
,
自動血球分析装置
,
皮膚穿刺採血
Keyword:
血球一般検査
,
血液形態検査
,
自動血球分析装置
,
皮膚穿刺採血
pp.1408-1414
発行日 2023年12月20日
Published Date 2023/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002829
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血液一般検査(血球検査あるいは血液学的検査)は,血液細胞の計数,形態学的検査を基本とし,加えて,免疫学的検査,遺伝学的検査も含むものである.血球細胞の数や形態,性状を検査するこの検査は,血液疾患はのみならず多種多様の疾患においても診断,病状・病勢の把握や健康状態のスクリーニング(いわゆる健康診断)にも用いられている.従来一般臨床では血球数や形態の検査が主たる検査であり免疫学的検査や遺伝学的検査は特殊な補助検査という位置づけであったが,近年,免疫学的検査,遺伝学的検査の自動化,簡便化が図られたため通常の一般臨床にも取り込まれてきている.例えば,急性白血病の現在の治療プロトコールでは,診断や治療反応の判定には血球の数や形態診断に加えてフローサイトメトリーによる白血球表面マーカーの同定やキメラ遺伝子の同定が必須となっており,正確な診断,治療方針の決定,治療効果判定はそれらを組み合わせて初めて可能になってきている.
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