特集 日常診療でみるかもしれない ちょっと稀なアレルギー
12.ちょっと珍しい動物アレルギー
-――ウマアレルギー・ウシアレルギー
西田 豊
1
,
滝沢 琢己
1
1群馬大学大学院医学系研究科小児科
キーワード:
職業アレルギー
,
リポカリン
,
家畜
,
Equ c 1
,
Bos d 2
Keyword:
職業アレルギー
,
リポカリン
,
家畜
,
Equ c 1
,
Bos d 2
pp.396-402
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002545
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ウマやウシに対するアレルギーは海外での報告が多く,職業アレルギーの1つとして知られる.ウマの主要アレルゲンEqu c 1とウシの主要アレルゲンBos d 2はともにリポカリンファミリーに属しており,吸入アレルゲンとして気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの症状を引き起こす.これらのアレルゲンは主に分泌腺で産生されて動物の毛や皮膚に付着し,環境中に拡散する.動物との直接の接触がなくても,衣服などに付着して運ばれたアレルゲンに間接的に接触してアレルギー症状を呈することがある.診断は詳細な病歴の確認と特異的IgE抗体などの補助診断を用いて行う.最善な治療はアレルゲンからの回避であるが,職業として動物に定期的に接触している場合は対応が困難である.
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