特集 日常診療でみるかもしれない ちょっと稀なアレルギー
11.蚊・昆虫アレルギー
-――刺咬によるアレルギー・食虫昆虫による食物アレルギー
佐藤 幸一郎
1
1国立病院機構高崎総合医療センター小児科
キーワード:
昆虫アレルギー
,
ハチ毒
,
重症蚊刺アレルギー
,
severe mosquito bite allergy
,
昆虫食
,
交差抗原性
Keyword:
昆虫アレルギー
,
ハチ毒
,
重症蚊刺アレルギー
,
severe mosquito bite allergy
,
昆虫食
,
交差抗原性
pp.388-394
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002544
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昆虫によるアレルギーは,アレルゲンの曝露経路により,① 吸入によるもの,② 接触によるもの,③ 刺咬によるもの,④ 摂食によるものに大別される.刺咬によるアレルギーの代表であるハチ刺症では,アナフィラキシーショックにより毎年20名前後の死亡者が報告されている.蚊刺症は夏期にみられるありふれた疾患だが,一部には蚊刺部の水疱形成や壊死を伴う腫脹や潰瘍を生じ,発熱,リンパ節腫大,肝障害などの全身症状を呈する予後不良な疾患である重症蚊アレルギーを生じることがある.摂食によるアレルギーは,昆虫食が世界的に注目されており,ゴキブリやダニ,甲殻類などとの交差抗原性が示唆されていることから,今後は増加する可能性がある.
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