特集 外来で診る発達障害――基礎知識 & よくある相談への対応
Ⅳ よくある相談への対応
15.算数が苦手
-――「数がわからない」「計算ミスが多い」「文章題が苦手」など
稲垣 真澄
1
,
居組 千里
2
1鳥取県立鳥取療育園小児科
2同外来担当言語聴覚士
キーワード:
算数障害
,
数処理
,
数量概念
,
計算
,
文章題
Keyword:
算数障害
,
数処理
,
数量概念
,
計算
,
文章題
pp.1276-1287
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002350
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算数は言語,記憶,注意などさまざまな認知能力がかかわる教科である.数がわからない,計算ミスが多い,文章題が苦手などの相談が寄せられた時は,① 言語発達に関する問診,② 神経学的診察,③ 知能評価,④ 読み書き・算数の基本的能力評価,そして ⑤ 子どものもつ認知特性評価の5つの視点から子どもと保護者にかかわりたい.学校で使用中のプリントやノートなどを参考に,算数能力(数処理,数概念,計算,文章題)を評価する.臨床的には知的障害に伴う算数の困難さが最も多いと思われるが,注意欠如・多動症(ADHD)や言語機能障害に伴うものや特異的発達障害の可能性も考慮して評価を進める.子どもへの学習支援と同時に保護者や学校担当者への助言も考えたい.
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