Japanese
English
講座 発達障害・2
診断
Diagnoses of developmental disorders.
中根 晃
1
Akira Nakane
1
1横浜市西部地域療育センター
1Yokohama West Area Remedical Center for Chirdren with Developmental Disease
キーワード:
注意欠如多動性障害
,
広汎性発達障害
,
アスペルガー症候群(障害)
,
読み書き障害
,
算数障害
Keyword:
注意欠如多動性障害
,
広汎性発達障害
,
アスペルガー症候群(障害)
,
読み書き障害
,
算数障害
pp.928-932
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101611
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発達障害と脳科学
発達障害は研究者によって定義が異なり,疾患分類学的な範囲も統一されていないが,多くは胎生期から幼児早期の脳にもたらされた侵襲による精神機能の部分的異常のために,結果として発達面の障害が出現する病態群である.
発達障害がどのような病態を含むかは規定されていないが,国際疾病分類(ICD-10)では,特異的発達障害と広汎性発達障害(PDD)としている.わが国では,特別支援教育の対象として,学習障害(LD),PDD,注意欠如多動性障害(ADHD)の3疾患が該当し,その基盤には何らかの脳の器質的・機能的な障害があることを前提に学校教育が進められている.これらの3疾患はそれぞれ独自の脳部位ないし神経回路に異常があり1),同一次元の病態として扱うことはできない.したがって,発達障害をスペクトル(連続体)として一括することはできず,併発することはあっても相互に移行することはない.そのため診断の際には,個々の疾患をそれぞれの診断基準に従って診断し,その後,発達障害とされる病態の1つであると注釈を加えることになる.
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