特集 外来で診る発達障害――基礎知識 & よくある相談への対応
Ⅳ よくある相談への対応
13.運動が苦手・不器用
-――「走るのが遅い」「よく転ぶ」「はさみを使うのが苦手」など
岡田 俊
1
,
江頭 優佳
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部
キーワード:
協調運動
,
巧緻性
,
平衡感覚
,
遊び
,
道具の工夫
Keyword:
協調運動
,
巧緻性
,
平衡感覚
,
遊び
,
道具の工夫
pp.1267-1271
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002348
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発達期早期より,協調運動技能の獲得や遂行が,生活年齢や技能の学習および使用の機会に応じて期待されるよりも拙劣で,日常生活,学業,就労,余暇活動に支障をきたす場合に協調運動症という診断が下される.有病率は5~6%で,男児のほうが女児にくらべて2~7倍高く,50~70%の症例で思春期から成人期にかけて持続する.協調運動症があると,活動への取り組みに動機づけられないだけでなく,自尊心の低下やうつ病などの精神疾患のリスクとも関連する.誰もと同じようにできるように繰り返し練習させるのではなく,課題分析を行ったうえで,適切な援助や道具の工夫と組み合わせること,遊びなどのなかに手先の使用などを組み入れる工夫が求められる.
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