Japanese
English
特集 姿勢調節
立位姿勢の調節機構
Control Mechanisms of Human Standing Posture.
渡辺 悟
1
Satoru Watanabe
1
1名古屋大学環境医学研究所
1Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University.
キーワード:
姿勢反射
,
平衡感覚
Keyword:
姿勢反射
,
平衡感覚
pp.87-93
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105322
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はじめに
われわれが立位姿勢を取る際には,まず第一には意志による行動であるということである.乳児期の這行から,やがて掴り立ちをし,二本足で直立姿勢をとるという発達過程がある.もちろん,四足立でも体を起して体を移動させるには不都合はない.しかし,ヒトの場合,二足立位をとることによって,下肢が体を支え,かつ体の移動に使われ,その結果,上肢がこれらの役目から解放され,腕や手として複雑な働きをもつに到る.
ここで,二足立位の姿勢を取ることは,わざわざ重心位置を高くして不安定な状態を作り出すことであり,その調節には学習過程を必要としていることを示している.姿勢保持の機構には更に,さまざまな反射機構を組み入れて構成されている.Magnus1),Sherrington2)以来,姿勢調節の反射機構が調べられて来ているが,いろいろなレベルに分けられる階層的な複雑さが現在も未だ問題を未解決のままにしている.
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